第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「あなたは猿ですか?帰ってきたばかりのほの花さんを人の家で抱こうとするなんて猿の繁殖行動と一緒じゃないですか。」
「あ、あはは!め、面目ねぇ。あまりに興奮して止まらんかった。悪ぃ悪ぃ!」
ほの花に夢中でほの花ことしか考えていなかった俺は少しばかり暴走してしまい、うっかり胡蝶の家の一室でほの花を押し倒して事に及ぼうとしていたところ、此処の家の主人に見つかってしまった。
胡蝶は柱だが、いつもは気配に気付かないわけがないのに今日は此処まで無我夢中で女を抱こうとしていたなんていう事実に驚くしかない。
ほの花を抱くのは自分の恋人だし、問題ない行為なのだが場所が悪過ぎた。
押し倒していたほの花を抱き起こすと、胡蝶の前に正座して座る俺の横に倣い、ほの花までもが並んで座って頭を下げている。
いや、ほの花は全く悪くねぇんだけどな。
自分が無理を言った。
「ほの花さんはそんなに頭を下げなくていいんですよ?悪いのはこの猿柱…あ、ごめんなさい。音柱の宇髄さんなんですから!ふふふ。」
「…っ、す、すいません…。」
猿柱だと?!と突っ込みたいのを一瞬で抑えて頭を下げる俺はまだ偉いと思う。いや、頭を下げる理由は勃ち上がってしまったイチモツを隠す意図もあるが。
「あ、で、でも…!私も…止めなかったので同罪です!ごめんなさい。しのぶさん。」
そう言うと尚も頭を下げ続けるほの花を見て胡蝶が諦めたかのようにため息を吐き、彼女の頭を上げさせた。
「もう…今回はほの花さんに免じて許します。継子に救われてどうするんですか。性欲柱…あ、音柱宇髄さん。」
「てめぇ!わざとだろ?!」
「何ですか?自分が悪くないとでも?」
「モウシワケゴザイマセンデシタ…。」
変な柱扱いしやがってムカっと来たのは一瞬だけで胡蝶のあまりの形相にデカい体を縮こませるしかない俺はなんて情けないか。
それでも隣にほの花がいると言うだけで自分の心が満たされている感覚がする。
そんな感覚は久しぶりで、酷く安心したのだった。