第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
炭治郎の応急処置を終え、暫く会えていなかったので少しだけおしゃべりをしていると、アオイちゃんが部屋の中に慌てて入ってきた。
「ほの花ちゃん!音柱様もう来ちゃったよ〜?」
「えええ?!も、もう?!早くない?!」
「ふふ。しのぶ様も帰ってきてないからきっと慌てて一人で来ちゃったんだよ。ほら、行って?」
来るの早いだろうなとは読んでいたけど、此処まで早いとは思わず、うっかり話し込んでしまった。
「あー…ごめん…。お茶…。」
「良いの良いの!また遊びに来て?待ってるから!それより音柱様がお待ちだから早く!」
「う、うん。炭治郎、善逸、伊之助。またね!お大事に〜!」
三人に手を振り別れを告げると、アオイちゃんと共に宇髄さんが待つ部屋に向かう。
「あのね、私、明日から少しお休みをもらえるみたい。だからまた来てもいい?」
「勿論!来てきて!待ってるね?結局、何で顔だけ見たって言ってたの?」
「んー?あのね、柱合会議の途中だったらしくてその時に産屋敷様の屋敷に行ってしまったから話はしてないんだけど顔は見れたってこと。」
「ああ!そう言うことね〜!それなら音柱様はほの花ちゃんと話したくて仕方ないのよ。あ、そこの角を曲がった客間にお通ししたの!またね!」
そう言うとアオイちゃんが手を振って仕事に戻っていくのを見送ると、教えてくれた部屋に向かった。
わー、なんかドキドキするなぁ。
久しぶりに宇髄さんに会えるんだ。いや、さっき会ったけど…!話すのは久しぶりだから一体どうやって話したらいいのかよく分からない。
「宇髄さん、お久しぶりです!」じゃ、怒るかな。でも、ここは蝶屋敷だし、迂闊に"天元"なんて呼べない。
それなら「宇髄さん、会いたかったです!」かな?やっぱり。だってしのぶさんより先に来てしまったみたいだけど、もう到着してるかもしれないし、やはり此処では宇髄さんと呼び、敬語で話した方がいいだろう。
やっと心が決まると、部屋の前でひとつ息を吐き、襖を開ける。
──が、少し開けただけなのに勢いよくそれが開かれると中から伸びた手で掴まれて部屋の中に引き摺り込まれた。
その手が誰のものかなんて一目瞭然。
体を包む温もりが、
匂いが、
私の大好きな人だと教えてくれた。