第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
善逸と伊之助は炭治郎と年も近くて仲が良いみたい。まるで兄弟のような関係に見ていて微笑ましかった。
しかし、先程彼が叫んでいた内容については謝らなければいけないと思い、一通り彼の心の叫びを聞き終えるとこちらから話しかけてみた。
「あのね、善逸。一個謝らないといけないことがあるの。」
「え、え、な、何?!ああ…!そういうことか。あまりに美人すぎて他の男が寄ってくるってことを謝りたいんだね?!大丈夫!俺は誤解なんてしないよ!ほの花が綺麗すぎるのは分かってることだから!!」
…この人とちゃんと話すことは無理なのだろうか?次々と吐かれる妄言がまるで現実のことのように言葉にできる彼は凄いと思うが、話は一向に進まない。
「あ、あのね、そうじゃなくて。その薬…。」
「え、薬??大丈夫だよ!こんなにクソみたいに苦い薬作った奴碌でもない奴に決まってるけど、俺頑張って飲むよ!!可愛いほの花のためだ!!」
「ご、ごめん…クソみたいに苦い薬作って…。」
「……え?」
「言ってなかったけど…鬼殺隊の薬師もしてて…それ作ったの私なの…。ご、ごめんね。苦くて…。」
その瞬間、魂が抜けたかのようにベッドに倒れた彼に驚いて診察しようとするが、頭をこそぎ落とす程地面に擦り付けて謝られるので、物凄く居心地が悪かった。
「ごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんね…。苦くない苦くない苦くない…!!」
「いや、その…苦いのは知ってるから謝らないで?もう少し苦さを和らげた薬も頑張って作るね。」
「うわああああん!ほの花、ごめぇええええええん!!」
そう言って私に縋り付いてきた善逸を見てアオイちゃんが慌てて引き離してくれ、雷が落とされたことで漸く大人しくなった彼。
それを見届けるとやっと自分のベッドに横になれた炭治郎の怪我の手当てを始めることにした。
随分と時間がかかってしまったせいで、お茶をする時間がないかもしれないなぁ。
宇髄さん、会議が終わったら直ぐに来そうだし…。
でも、明日から少し暇をもらえるようだし、また遊びに来させてもらおうと心に決めると薬箱から傷薬と包帯を取り出した。