第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
女子の会話というのは話し出すと止まらない。
特にアオイちゃんはカナヲちゃんと違ってよく喋るから余計に話が弾んでしまうのだ。
恋の話というのはなかなか盛り上がるものでカナヲちゃんもアオイちゃんとはよくちょっとした話をよく聞いてもらったりすることもある。
身近に宇髄さんの元奥様達もいるが、やはり元旦那さんのことを聞くのは失礼かもしれない…と思って、話しにくかったりするので蝶屋敷のこの二人は唯一気兼ねなく恋の話ができる人だったりする。
「ふふ、お茶が楽しみね!あ、こちらです。」
楽しそうに笑うアオイちゃんに付いていくと向かう先の奥の部屋から悲鳴のような声が聞こえてきた。
「五回!?五回飲むの?!一日に?!すげぇ苦いんだけど!!つらいんだけど!!!いやぁあああああ!!」
男の子の声だと思うけど、あまりに悲痛な叫びで居た堪れなくなる。
(…ん?でも、…薬…?)
「あー、またあの人だわ…。もう!本当に仕方ないわね。」
呆れたようにため息を吐きながら更に早足になるアオイちゃんはズンズンと部屋の中に入っていくと「静かになさって下さい!!」という一喝が聞こえてきた。
(…流石アオイちゃん。しっかり者〜…)
私のが年上だけど、私よりしっかりしてると思う。
炭治郎の後ろに続いて部屋の中に入ると今度は炭治郎が叫んだのでビクッと肩を震わせた。
「善逸!!!」
「ギャーーーーーッ!!」
「大丈夫か?怪我したのか?山に入ってきてくれたんだな…‼︎」
「た、炭治郎……。」
どうやら二人は知り合いのようで声をかけられたその男の子は縋るように炭治郎(正確には隠の人だけど)に抱きついて、溢れんばかりの愚痴を曝け出した。
余程鬱憤が溜まっていたのだろう。
止まることのないそれに呆気に取られて私は炭治郎の後ろで暫くボーッとしてしまった。
その後、伊之助という知り合いの猪さんも同室だったようで再会を喜び合っているところを見ると共に鬼狩りに行っていたのだろう。
話を聞いているとそれぞれ別の鬼と対峙していたようで怪我はしているが全員無事に生きて帰って来れたということらしい。
抱き合う三人を見て、思わず笑みがこぼれ落ちた。
やっぱり生きていることが重要なのだ。
宇髄さんの言う通り。
私は感動の再会をしている三人を暫し姉のような気分で見守っていた。