第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
そのまま庭に歩いていくと蝶と戯れているカナヲちゃんが目に入った。
「カナヲちゃん!!」
私が声をかけると目を見開き、可愛い笑顔で駆けてきてくれる。
「ほの花ちゃん!いつ戻ったの?おかえりなさい。お疲れ様!」
「あ、えと、たった今戻ったところ。産屋敷様のところに行ってから来たの」
感動の再会を味わっている中、隠の人が申し訳なさそうに会話に入ってきた。
「栗花落様、胡蝶様の命によって参りました。お屋敷に上がってもいいでしょうか?」
隠の人にそう言われてもニコニコと笑うだけで言葉を紡ぐことはしないカナヲちゃん。
相変わらず、自分で決めるのが苦手なようで慣れた人としか話さない。最初、私ともあまり会話が弾まなかったが、今では楽しく会話できるまでになった。
でも、ニコニコしたまま何も話さないカナヲちゃんにどうしたもんかと困りかけた隠の人に助け舟を出そうかと思ったところで後ろからもう一つの声が聞こえた。
「どなたですか!!」
大きな声に驚いて後ろを向けばそこにいた二つ結びをした少女に私の顔も緩む。
「アオイちゃん!!」
「ほの花ちゃん?!やだ、お帰りなさい!!お疲れ様!!お茶と甘味出すわね!」
「わぁ!嬉しい!甘味食べたかったの〜!」
女子特有のキャピキャピとした会話にたじたじになっている隠の二人と炭治郎たちはその場を暫く見守ってくれたが、見兼ねた隠の人が声をかけてきた。
「あ、あの…怪我人を…。」
「え?ああ!怪我人ですね。分かりました。こちらへどうぞ。」
「アオイちゃん。しのぶさんから彼の手当てを任されてるの。お茶の前に手当てしちゃうね。」
「あら、そうなのね!分かったわ!お願いします。」
ニコニコして様子を見ていたカナヲちゃんに「あとでお茶しようね」と声をかけるとコクンと頷いてくれたので手を振ってその場を後にする。
断られてしまったので隠の人におぶわれたままの炭治郎とアオイちゃんの後についていく。
「ほの花ちゃん、音柱様にはお会いしたの?」
「あ、うーん…か、顔だけ見た、かな。」
「ええー?何それ!!どう言うことなの?!」
アオイちゃんが食い気味にそう聞いてくるので苦笑いを返すと、「お茶の時話すよ〜」と濁してまずは応急処置のため病室に急ぐことにした。