第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
──蝶屋敷
「ごめんくださーーい!カナヲちゃーん!いるー??」
玄関先から声をかけてみたが、誰の声も聞こえないので炭治郎たちを促して、庭に行ってみることにした。
いくらしのぶさんに頼まれているからと言って勝手に玄関から上がるのは申し訳ない。
宇髄さんの屋敷ならば兎も角、ここは蟲柱様の屋敷なのだ。
「いま、呼んだのって誰?」
「ああ、蟲柱の胡蝶しのぶさんの継子の栗花落カナヲちゃん。多分あっちにいると思うんだけど…。」
「…ツグコ…?」
継子の意味が分からずに首を傾げている炭治郎に隠の人が教えてあげている。
「継子って言うのは柱が育てる隊士のことだ。相当才能がないと選ばれない。っつーか、お前自分で歩けよな!!」
相当才能がないと選ばれない……。
そ、そうじゃない人もいます!!!
こんなことろでまさか産屋敷様の鶴の一声で継子になった自分の異質さが露呈するとは思わなかった。
恥ずかしくて話を変えたくなった私は無理やり会話に入る。
「わ、私が代わります!炭治郎。私が抱えるよ。」
「え、ほの花、いいの…「駄目駄目駄目駄目駄目!!!駄目です!!」
体が痛いから歩けないという炭治郎を抱えてあげようとして手を出したのだが、ものすごい勢いで隠の人に拒否されて後退される。
「え、…でも、疲れましたよね?代わりますよ?」
「ほの花さん、だけはぜっっったいに駄目です!!!」
「俺たちまだ生きていたいので!!!」
「「音柱様に殺されてしまいます…!!!!」」
そう言って必死な形相な彼らの言葉に固まる。
拒否された理由を潔く理解すると肩を竦めて炭治郎から離れた。
それを見てホッとしたような顔をする隠の人に私とのことが鬼殺隊に結構浸透してることに申し訳なさを感じた。
大した鬼殺隊士でもないのに宇髄さんの力によって私は優遇され守られてる。
「そんなに音柱って怖いの?ほの花すごいなぁ!」
「え?全然怖くないよ!どっちかと言うとめちゃくちゃ優しいよー?」
でも、そのせいで宇髄さんが怖い人だと思われるのは悲しいので精一杯否定することで彼の面目を保つのに必死だ。
((いや、そう思えるのあんただけだから…!!))