第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
珠世さんのことはさておき、一体さっきの異様な空気は何だったのだろうか?縛られたままの炭治郎も気になっていたけど、どう見ても穏やかな空間ではなかったことに少なからず内心ドキドキしていた。
だからこそ余計にあそこに行ってしまったことを後悔していたのだ。
前を走る隠の人は仕切りに炭治郎を「お前のせいで怒られた!」「絶対許さないからな!柱は怖いんだ!」攻め立てている。
"柱は怖いんだ"という言葉は幸いなことに私は分からないが…。
だって怖いと感じた人が今までで一人もいないのだから。宇髄さんは見た目が大きいから怖いと思われがちかもしれないけど、本当に物凄く優しい人だから勘違いだし、さっき炭治郎が言ってたのは不死川さんのことだと思うけど、彼もめちゃくちゃ優しい人。
うーん。どっちも勘違いだと思うけどなぁ。
そんな疑問を抱きつつ、炭治郎に声をかけてみる。
「ところでさ、炭治郎は何であそこにいたの?」
「あー!そうそう!ほの花!改めて久しぶり!元気そうだね!」
「え、あ、う、うん。久しぶり。あの、…」
「ああ!何かね。裁判にかけられていたんだ。そうしたら俺の妹をあの傷だらけの人が何回も斬り付けたんだ!酷いだろ?!だから頭突きしたかったのに!!」
「え、ええ?!妹さんを?!大丈夫なの?怪我は?!」
その声は澄んでいて嘘を言っているようには見えない。でも、不死川さんが罪のない人を斬りつけたりするだろうか?
益々分からない私は首を傾げるばかり。
「ほの花さん!違うんですよ!コイツの妹を鬼なんすよ!!」
「……え、……え?!お、鬼?!」
「鬼でも禰󠄀豆子は人を喰ったりしない!善良の鬼なんだ!!妹を馬鹿にする奴は許さないぞ!!」
鬼って…鬼?!
え…妹さんが…?炭治郎は素直で優しい良い子だかり事情があるのは分かる…けど。
(…あの異様な空気の意味も納得…。)
鬼に恨みのある柱の人も多いし、詳しいことはわからないけど、産屋敷様まで出てきていたと言うことは相当大ごとなのだ。
まさかそんな時に帰ってきてしまい、場に鉢合わせたと知れば驚きと同時に自分の間の悪さを呪うしかない…。