第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
どういうことだ…?
助かったのか?
俺も…禰󠄀豆子も。
茫然としていると再びお館様が口を開いた。
「炭治郎、それでもまだ禰󠄀豆子のことを快く思わない人もいるだろう。証明しなければならない。これから炭治郎と禰󠄀豆子が鬼殺隊として戦えること。役に立つこと。」
その言葉を聴いてるだけで途端に頭を下げなければ!と思った。
ふわふわするような高揚感。
脳に直接語りかけるようなその言葉を俺は頭を地面につけて聴き入る。
「十二鬼月を倒しておいで。そうしたらみんなに認められる。炭治郎の言葉の重みが変わってくる。」
十二鬼月…。
その人の声が作り出す不思議な高揚感を感じながら、何とかその人に自分の気持ちを伝えなければ!と顔を上げた。
「俺は…俺と禰󠄀豆子は鬼舞辻無惨を倒します!俺と禰󠄀豆子が必ず!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!」
「今の炭治郎にはできないからまずは十二鬼月を一人倒そうね。」
あまりにも途方もないことを言ってしまったようで思わず訂正されてしまったことに顔が熱くなる。
そうか…、俺はまだ十二鬼月も一人倒せないような実力なんだ…。鬼舞辻無惨を倒すなんて大それたことを言ってしまったことに恥ずかしくて固まる羽目になるとは思わなかった。
「鬼殺隊の柱達は当然抜きん出た才能がある。血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げて死線をくぐり、十二鬼月をも倒している。だからこそ柱は尊敬され優遇されるんだよ。炭治郎も口の利き方に気をつけるように。」
「は、はい。」
すると、今度は俺の後ろにいる柱の人に向き合い、不死川さんと伊黒さんに注意もしてくれた。何だかお父さんみたいな人だ…。
子どもの喧嘩を収めてくれるような…。
漸くホッと一息吐くと、襖から女の子が現れてお館様に声をかけた。
耳元で話す声は聞こえなかったけど、少しだけ驚いた顔をした後、嬉しそうに笑い、何かを指示したようだった。
「炭治郎の話は終わり。下がっていいよ。では柱合会議を始める前に、みんなにあわせたい人がいるんだけど呼んでもいいかな?」
下がってもいいと言われたけど、どうしたらいいか分からずその場に止まり、キョロキョロと周りを見渡してボーッとしてしまった。