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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※




まさか、そんな…?
柱の俺たちですら遭遇したことのない鬼舞辻無惨とこの餓鬼が遭遇しているだと?!
思わず取り乱してしまったが、再び跪くとお館様の言葉に耳を傾ける。


「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない。恐らくは禰󠄀豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ。分かってくれるかな?」


お館様の言葉に俺は納得しかけていたのだが、どうやら不死川は違ったようで、ギリっと奥歯を噛み締める音が聴こえたと思ったら再び話し出した。


「…わかりません、お館様。人間ならば生かしておいてもいいが、鬼は駄目です。承知できない。」


すると、何を思ったのか急に日輪刀を抜き、自らの腕を斬りつけた。
もちろんそこからは血が溢れ出して、ポタポタと垂れていく。


「お館様。証明しますよ。鬼という物の醜さを!」


ああ、そう言うことか…。
不死川はその腕を鬼の妹が入った木箱の上に持って行き、ボタボタと垂らし始めた。


「おい、鬼!飯の時間だぞ!喰らいつけ!!」


「不死川、日なたでは駄目だ。日陰に行かねば鬼は出てこない。」


伊黒がそう助言すれば、お館様に一言言い、屋敷の下に木箱ごと入り込んだ。
確かにそうすれば出てくるだろう。

日陰に入るや否や、不死川は再び日輪刀を構えてその木箱に突き刺した。
鬼を誘き出すために。


竈門炭治郎が叫んで制止しようと試みるが、伊黒がその背中に肘鉄を入れて動きを止める。

何度も何度も刺されているし、余程憎しみが募っていることだろう。
木箱から出た瞬間に不死川を襲うかもしれない。

不死川は負けやしないと思うが、念のために戦闘体制に入っておこうと若干体勢を整える。


そして、ズズ…と出てきた鬼は妹と呼ばれるだけあってまだ若そうな少女の姿をしていた。


何とか飛びかかるということはなさそうだったので、再び元の体勢に戻り、荒い息をしながら不死川を睨みつけるその鬼の動向を見守った。


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