第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
お館様のおかげで何とか収拾が付いたが、危うく此処で死人が出るところだった。
鬼を連れていることは派手に反対するが、今すぐ此処で斬首するのはお館様の屋敷だ。些か、申し訳がないので収拾が付いてよかったと思う。
いずれにせよ斬首は免れないだろうが。
「お早う、みんな。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ。」
「お館様におかれましても御壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。」
「ありがとう。実弥。」
定例とも言える挨拶を終えると、不死川が今回の騒動の早くも核心を突くべく、"竈門炭治郎"とその妹の鬼について聞き始めた。
「この竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士についてご説明いただけますでしょうか。」
「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰󠄀豆子については私が容認していた。そして、皆にも認めてほしいと思っている。」
お館様の発言はまさに青天の霹靂。
鬼である妹を共に連れ立っていた竈門炭治郎という隊士を容認していた?
それはあまりに危険すぎる。
そう思っていたのは俺だけではないようで悲鳴嶼さんが直ぐに反論を繰り広げる。
「嗚呼…たとえお館様であっても、私は承知しかねる…。」
「俺も派手に反対する。鬼を連れた鬼殺隊員など認められない。」
「私は全てお館様の望むまま従います。」
「僕はどちらでも…すぐ忘れるので…。」
「………。」
皆一様に自分の考えを述べるが、胡蝶と冨岡は無言を貫いている。
「信用しない、信用しない。そもそも鬼は嫌いだ。」
「こころより尊敬をするお館様であるが理解できないお考えだ。全力で反対する。」
「鬼を滅殺してこそ鬼殺隊。竈門・冨岡両名の処罰を願いです。」
お館様の意向ではあるが、万が一のことを考えるととても賛成できることではない。
俺も危害が加わらないと確定するのであれば認めないこともないが、そんな保証ありやしない。
何かあってからでは困るではないか。
すると、お館様は徐に「手紙を」と御息女に言い、何やらその手紙を読み上げ出したので、一同それを黙って聴くことになる。