第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「オイオイ、何だか面白いことになってるみたいだなァ。」
「い、いけません!不死川様!どうか箱をお離しください!」
禰󠄀豆子の木箱を持った不死川と呼ばれた男は明らかに敵意を剥き出しにして近づいてきた。
「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかいィ?一体全体どういうつもりだァ?」
木箱を持ち、どんどんこちらに向かってくるその男は胡蝶と呼ばれた女性の制止も聞かずに、そのまま俺に向き合った。
「鬼が何だってェ?坊主ゥ。鬼殺隊として人を守るために戦える?」
突き刺すような視線に耐えていると、突然日輪刀を抜いたその男に嫌な予感がした。
「そんなことはなァ、ありてねぇんだよォォ!」
そう感じた一瞬の間に禰󠄀豆子の木箱が刺されて、血が滴り落ちていくのを見ると途端に怒りがムクムクと溢れ出てきた。
やめろ
やめろ
やめろぉぉぉっ!!!
禰󠄀豆子に触るな!!!
「俺の妹を傷つける奴は柱であろうが何だろうか許さない!!」
「ハハハ!そうかぃ!よかったなぁ!」
「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
渾身の力を込めて不死川と呼ばれた男の元に走っていくと怒りのままに頭突きをかましてやった。
一瞬聞こえた声は冨岡さんだろうか。
運よくその柱の男に頭突きを喰らわせると、禰󠄀豆子の木箱を持って庇うように後ろ手に持った。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ!」
「てめぇええ…、ぶっ殺してやる!」
もう流石に殺されるかもしれない…!と思ったのに今度は屋敷の中から「お館様のお成りです!」と声が聞こえて助かった。
俺はツイてる…。
とんでもなく運がある…。
長男だからか?いや、関係ないか。
しかし、屋敷の中から出てきた男性を見て今まで自分に絡んできた男でさえすぐに立ち上がり、その前で跪いたのを見て驚いた。
「よく来たね。私の可愛い剣士たち。」
その人は病気なのか目が見えないようだったけど、思わず呆気に取られて見ていると不死川という男に殴られて無理やり頭を下げさせられた。