第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
(…柱?柱って何だ?何のことだ?)
目が覚めたら知らない場所。
知らない人たち。
「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるんですよ。竈門 炭治郎くん。」
蝶の髪飾りをつけた女の人がそう言うと一斉に柱と呼ばれる人たちが話し出すのをただただ聞くことしかできない。
「裁判の必要など無いだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
──やたらと声が大きい炎の思わせるような羽織を着た人
「ならば、俺が派手に頚を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ。」
──やたらと派手な格好をした大きな体の人の隣には変わった髪色をしている女の人
「ああ…なんというみすぼらしい子どもだ。可哀想に。生まれてきたこと自体が可哀想だ。」
──あの大きな派手な人よりもっと大きくて数珠のようなものを持って手を合わせている人、その横にはまだ年も変わらないくらいの長い黒髪の少年
「殺してやろう」
「うむ。」
「派手にな。」
この人たちの中で着々と自分を殺すという最悪な判決が決まろうとしている中、そこに禰󠄀豆子がいないことに気づいた。
禰󠄀豆子だけではない。
善逸は?
伊之助は?!
村田さんは?
那多蜘蛛山で共に戦った仲間達がいない。
生きているのか?
まさか…?いや、そんなことはない!生きている筈だ。
あそこで死ぬなんてことはない。
でも、おかしい。
何処にもその姿が見えない。
ぐるりと辺りを見渡していると、「そんなことより冨岡はどうするのかね。」という言葉にハッとした。
冨岡…?
冨岡って…冨岡義勇さん?!
見上げた先には木の上に縞々模様の羽織を着た肩までの黒髪の人がこちらを見下ろしている。
「拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう。どう処分する?どう責任取らせる?どんな目に合わせてやろうか。」
──その人を見たあと、離れたところに冨岡さんが無言で立っていることに気づいた。
(…俺のせいで冨岡さんまで…!)
自分だけならまだしも他人を巻き込んでしまったことに申し訳なさでいっぱいになる。
それでもこうするしかなかったんだ。
(禰󠄀豆子は…、人間を襲ったりしない!)