第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
柱合会議当日──
予定では明日、ほの花が帰ってくる。
やっと…!やっとだというのに…。
この9日間があっという間だった。
あれほど時が経つのが待ち遠しかったと言うのにこの日が来るのが怖くてたまらなかった。
「天元様、もうそろそろ行かないといけないのではないですか?」
「…ああ。そうだな。行ってくるわ。」
会いたくてたまらない女と会えるというのに手放しで喜べないこの状況が憎すぎる。
日輪刀を背中に携えるとため息を吐き、玄関に向かう。
「あ!お疲れ様会…どうしましょうか?」
雛鶴がそう言って困ったような顔をする。
瑠璃が来るまではほの花らを労う慰労会をするつもりだったが、それが妥当なのか分からなくなる。
だが、瑠璃がいることとほの花たちが大義をしたこととは別問題だ。
死地に出向いて、多くの患者を救ってきたアイツらを労ってやることの方が比重は大きい。
瑠璃が場を弁えなければ追い出すまで。
元々、ほの花と会えば帰るという約束だ。
その時点で目的は達成しているだろう。
「…準備頼めるか?瑠璃のことは関係ねぇし、アイツらは家族だ。ちゃんと労ってやろうぜ。変なことすんなら俺が追い出すからよ。」
“追い出す"という言葉を聞いて途端に目を輝かせる雛鶴に余程彼女も瑠璃がいなくなって欲しいと思っているのだろう。
「はい!では三人で準備しますね!早く会いたいです…。でも、ちゃんとほの花さんを守ってくださいよ?約束です。」
「わぁーってるって。ほの花は俺が守る。」
「それなら良いです。では、いってらっしゃいませ。」
玄関まで雛鶴が見送ってくれると、瑠璃に見つからない内に家を出た。
アイツに見つかると色々面倒だ。
鬼狩りをしていることも何となく伏せている。
知られて困ることでもないが、信頼できるわけではないからだ。
万が一、お館様に危害を加えたり、他の柱や隊士に迷惑をかけるようならば放っておけない。
しかしながら、任務で家を空けることが多い俺。
一番迷惑をかけられているのは三人の元嫁たちだろう。
この件が落ち着いたら三人まとめて暇をやろうの心に決めた。