第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「ほの花は今いねぇ…つーか、暫くこの町に帰ってこねぇから諦めてお前も帰れ。」
心底ホッとしたような顔をしたように見えたのは気のせいではない。恐らく、天元が言ったことは本当なのだろう。
その女がこの町にはいないと言うことだ。
「この町には戻ってくるのでしょう?なら待ってるから気にしないで頂戴。それまで御厄介になるわね。その部屋使わせてもらうわ。」
「だ、駄目ですぅーー!この部屋はほの花さんのお部屋なんですから!!絶対に駄目です!!」
そう言って縁側まで降りてきて部屋の前で陣取る須磨に目を見開いた。
どう言うことなのだ?まだ娶ってもいない女が此処に住んでいるということ?
一体どういう状況なのだ。
「…ちょっと待って…、その女…、男の家に転がり込んでるってこと?とんだふしだらな女じゃない!その時点で認められないわ!!」
「え、や、ちが…!え、…て、天元様ぁ…!!」
天元の方を振り向いて涙で訴えかける須磨に顔を引き攣らせている彼の魂胆なんてわかっている。私にその女と会わせずに追い出そうと思っていたんでしょう?
でも、そう言うことなら絶対に許さない。
納得できなきゃ、此処を出て行くことなんて有り得ない。
ため息を吐くとこちらに鋭い視線を向けてゆっくりと話し出した天元を私は真っ直ぐに見つめた。
「…ほの花は俺の継子だから此処に住まわせてるだけの話だ。ふしだらな女なんかじゃねぇ。二度とそんな言い方をするな。ぶっ飛ばすぞ。」
「継子…?何なのよ、それ…。」
「戦い方を教えてやった師弟関係みたいなもんだ。もういいだろ。早く帰れ。」
ちょっと待って。
それなら弟子に手を出したってことじゃない。これは一日や二日で理解できる範疇をとうに超えているわ。
私は無言で再び家の中に入るとほの花と言う女の部屋に上がり込んだ。
庭に放り出されたことで付いた土もその上で払ってやると天元を睨みつける。
同じように眉間に皺を寄せて冷たい視線を向けてくるが、引くわけにいかない。
「暫く此処に住むわ。その女に会うまで帰らないから。万が一、追い出したら…その女を殺す。宇髄家繁栄の為の邪魔をするんだから仕方ないわ。殺されたくなければ会わせて頂戴。そうすれば危害は加えない。」
邪魔する奴は消す。
それだけのこと。