第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
確かに瑠璃の話を聞くまで自分のことしか考えていなかったことに気づいた。
俺たちが出て行った後、コイツがどう言う扱いを受けるか考えていなかった。考え方の違う男のところに嫁ぐよりも違う男のところへ嫁いだ方がいいだろうと言う優しさのつもりだった。
だけど、瑠璃からしたら置いてけぼりにされて捨てられたと思うのも無理はないかもしれない。
血走った目で"嫁にしろ"と凄んでくる様にため息を吐くしかない。
そうだとしても瑠璃を嫁にすることはできない。
ほの花と将来夫婦になると決めているし、正直それ以外考えられない。こうしていても頭の片隅に絶対にアイツがニコニコ笑ってる。「天元!」って可愛い声で俺を呼び、微笑みかけてくれるんだ。
絶対にアイツだけは俺が幸せにしたい。
他の男には任せられない。俺が幸せにしたいと心から欲した女。
何と罵られようとも受け入れる。
それでもほの花を手放すことなど考えられない。
「あんた…頭おかしいんじゃないの?…その三人を裏切ってまで…。」
「天元様が裏切ったんじゃないんです!私たちが自らそうしてくれと頼んだんです。」
後ろからまきをの声がしたかと思うと俺の前に歩み出た。
それに続いて雛鶴も須磨も俺の前に出てきたかと思うと瑠璃と対峙する。
「天元様ととてもお似合いだと思ったから…。彼女なら天元様を幸せにしてくれると感じたからそう願い出たんです。裏切られたわけじゃない!」
「そ、そうですぅ!ほの花さんはとても綺麗で優しくて…変な馬の骨なんかじゃありませんーー!」
このまま帰って欲しかったのであまりほの花の素性を明かしたくなかったが、案の定須磨が口走ったせいで瑠璃の顔もさらに険しくなる。
(…須磨〜…、やっぱりお前は須磨だ…。)
悪気なくポロッと窮地に追いやることを言ってしまうのが良くも悪くも須磨だ。
「…それならそのほの花と言う女を此処に呼び出しなさい。見定めてあげるわ」
しかし、これは須磨の落ち度ではない。
俺が自分の尻拭いをちゃんとできていなかったからだ。
身の振り方を間違えた。
それだけのことだ。
いずれにせよ、ほの花を傷つけさせることだけはしない。