第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
まさか瑠璃に再び会うとは思ってもいなかった。
一番最初に嫁に決まっていた女だったが、一番相容れない女でもあった。
考え方がまるで父親と一緒。
物心付いた頃からは顔を見る度に嫌気が差していた。
里を出ようと決めた時も唯一家族になることに嫌悪感を抱いたから連れていかなかった。
それでも、自分に嫁ぐことが決まっていた瑠璃に誠意を尽くす為、直接断りを入れた。
其れが僅かながらの礼儀を尽くしたと思っていたから。
二度と俺の顔なんて見たくないだろう。其れほどのことをした。
でも、其れで良いと思っていた。
合わない女だった。それだけのことだ。
しきたりを重んじるアイツが里を捨てた裏切り者をわざわざ探しに来るなんて思いもしなかったし、ましてや会って早々口づけされるなんて信じられなかった。
それほどまでに宇髄家に執着している瑠璃に頭を抱えることになるなんて誰が思おうか。
「まきをも須磨も久しぶりね。元気そうで何より。」
「瑠璃さん…。」
「ど、どうして此処がわかったんですか?!」
「町であんた達を見かけて後を付けたの。まさかこんな堂々と暮らしてるなんて思いもしなかったわ。」
呑気に俺の後ろにいたまきをと須磨に声をかける瑠璃の顔は不敵に微笑んでいて、どうやら帰る気はないらしい。
「暫く厄介になるわ。こんな広い屋敷だもの。客間くらいあるでしょ?天元がちょうど掃除してくれてた部屋でもいいわ。よろしくね。」
「帰れって言ってんのが聞こえねぇのか。目障りだ。」
「あら、私に直前で婚約破棄しておいてどのツラ下げて言うのかしら?あんた達が出て行った後、私がどれだけあんたの父上に咎められたか分かってんの?!」
「…、其れに関しては…謝る。ごめん、瑠璃。」
痛いところを突かれた。
確かにたった一人置いてきたせいで矢面に立たされたのはコイツだろう。
自分勝手な理由で置いてきたことで最悪な時期に来やがった。
俺に復讐でもしたいのかもしれないが、もう少しでほの花が帰ってくると言うのに…。
尚も睨みつけてくる瑠璃に俺は大きなため息を吐いた。