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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※




「話すと長くなりますが、ほの花様は宇髄様に見初められるまで所謂"行き遅れ"と呼ばれる類でして…、酷く自分に自信がないんですよ。」


「お前らの住んでたところは死ぬほど美人ばかりが多い地区か。それとも不美人が好まれる地区か。」


そうとしか考えられない。
どっからどう見ても行き遅れるような面構えではない。
そこの男全員が節穴としか言いようがないではないか。



「少しばかり上背があるので…それも一因で…あとは兄君達が妹であるほの花様を溺愛していたので…それもあるかと…。」


上背?まぁ、確かに一般的な女にしてはデカい方だが、そこまで気にせずとも…。
一番は兄とやらが妹の結婚相手に煩く口を出したのだろう。
まぁ、そう考えたらほの花もまぁまぁ不憫だな。


「へぇ…。それで、自信が持てなくて柱の男の恋人が自分なんかだと恥ずかしい想いをさせるとでも思ってんだな。あの変な女は。」


「大正解です。模範解答ですね。」


「全く嬉しくねぇよ。」


漸くほの花があそこまで隠したがった理由を知って腑に落ちたが、随分と面倒な性格だ。
自分の魅力を分かっていないからこそ、平気で自分を蔑むし、犠牲にする。
アイツにとってはそれが当たり前のことなのだが、周りの…特に恋人の男にとっては随分と苦労する案件だろう。


田舎あたりでしっぽりと隠居生活をする分には何てことないと思うが、お互い多方面での仕事をこなさなければならないとなるとそれですれ違うことも多いだろう。

茨の道を進むか。
それとも途中で茨を刈ることができるか。


あの女の性格は昨日今日でなったものではない。
今までの人生で培って来てしまったものだ。

謙遜と言えば聞こえはいいが、あそこまで頑なに隠したがるということは心の奥底までその性格が蔓延っている証拠。

他人の恋路に興味はないが、コイツらの行く末は少しだけ興味が湧いた。

だが、周りから見たら実は簡単なことだったりもする。


ほの花が自分のことをちゃんと知って認めることができれば、それで終わりだ。
それができないからコイツらの行く末が面白いと感じるのだろう。

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