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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※






──ほの花へ

返事くれてホッとした。元気そうだな。
手紙なんて興味もなかったけどもらえると嬉しいもんだな。
今回はちゃんと温室の薬草の水やりをしてるから心配すんなよ。俺がいなければ須磨がやってる。
そういえば庭に毎年咲く紫陽花が綺麗なんだけど、お前が帰ってきた時咲いてるかわからないから入れてみた。来年は一緒に見ような。
ほの花愛してる。
ついでに言っておくと、現在禁欲中につき、帰ってきたら覚悟しておけよ。
また書く

            宇髄天元──



「はぁー…。すき。」


「あー、でもなぁ…うーん…やっぱりすき…。」


「やっぱり言わない方がいいかな…いや、でも…。」



上記は全て私の独り言である。
そして…いまは診療の真っ最中である。
手紙の内容を思い出しては一人で赤くなったり、青くなったりしていたようで近くにいる三人が訝しげにこちらを見ている中、全快した医師の加藤さんが声をかけてくれた。


「ほの花さん、どうかしたんですか?」


「え、あ…いや!だ、大丈夫です…!」


「お疲れなんじゃないですか?一人でブツブツと…。」



全く疲れてなどいない。
何なら普段の生活より楽してるくらいだ。
毎日の朝の鍛錬後に朝餉、それから薬の調合をして蝶屋敷に持って行き、産屋敷様のところに行くときは一旦戻ってから昼餉を食べて向かい、また帰ってきて薬の調合をして、たまに宇髄さんと戯れあって、任務に行く彼を見送り、朝方帰ってきた彼に死ぬほど抱かれる。

だが、今はどうだろうか。
最初の一週間こそ大変だったが、今は医療者も私を含め三人に増えたことで、バッチリ休憩も取れるし、三食温泉付きだ。
余裕が出てきたことで朝の鍛錬を開始したが、それでも時間が余って此処に残していく用の薬の調合をしたりしている。

しかも、患者さんは徐々に減って来ていて、回復して退院していく患者さんを見送るのは嬉しくてやり甲斐を感じていた。

将来、もし生き残っていたら小さな薬屋さんを開いても良いかもしれない。
今みたいに忙しいのはアレだけど…、それなら万が一、一人でも生きていけるだろう。

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