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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※





しかしながら、世間知らずという弊害はほの花様自身の自己肯定感の低さにも及んでいる。

確かに兄君達の溺愛ぶりと男運も無さで男性に言い寄られたりした過去はないので、男性に対しての危機管理能力の無さはある程度は仕方がないとは思う。
狭い世界で生きてきたから自分というものを分かっていないのも肯けるが、もう少し気を引き締めて過ごしてほしいというものだ。


今回、この刀鍛冶の里で流行病が蔓延しているということで、ほの花様の亡き母上、灯里様が作った予防接種を毎年受けていたということで我々も連れ立ってこの地に救護に向かったわけたが…。


此処に来るまでも、確かに鬼殺隊の隠と呼ばれる人たちは味方かもしれないが、おぶられた状態で男性の背中で寝るなど普通に考えたらあり得ない。

そして更にこの里についてからはよく知りもしない男性に「見せてみろ」という一言で武器を渡してしまい、それを持って行かれてしまうという失態。


更に今度は温泉に行ったは良いが、そこで寝ていた?!
入れば分かるが、外にある温泉だ。
要するに野天温泉。
いくら人払いをしてあるとは言え、誰でも入ることができるのだから近くに護身刀を置いておけとまではいかずとも一人で行ったのだから十分に気をつけてもらいたいものを…、寝ていた?!?!


宇髄様の屋敷の風呂でもなければ、彼が一緒に入っているわけでもないのに、寝ていた?!?!

本気で頭が痛くなる危機管理能力の低さだ。


「…あ、えと、で、でも…!寝ちゃったのは不可抗力、と言うか…。」


どうやら彼女にも言い分があるようなので、甘んじてそれを聞くために向き合う。
するとチラチラとこちらを見ながら少しずつ言葉を紡いでいく。


「猿でもいそう…って言ってたじゃん?温泉で奥から音がしたから猿だと思って捕まえようとしたら…お、男の人でね…。」


この先を聞かなくとも、最悪な事態を引き起こしてきたのだと言うことは簡単に予測がつく。
そして後ろにいた大進と顔を見合わせると、此処にはいない彼女の恋人である彼に脳内で死ぬほど土下座をした。


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