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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※





ほの花様は昔から超が付くほど危機管理能力が薄い。
ある程度は隠れ里にいたから仕方がないと思っていたが、鬼に里を全滅させられて産屋敷様を尋ねて、宇髄様のお屋敷にご厄介になり始めてからも変わらない。


よく言えば天真爛漫。
悪く言えば無鉄砲で向こう見ず。


宇髄様がご心配になるお気持ちもそれはもう本当によくわかる。
散歩に出れば夜まで帰ってこなかったり、外で野宿することも平気だし、無駄に正義感が強いから色んなことにすぐに首を突っ込む。


はっきり言おう。
護衛だったから仕事と思って彼女に仕えて来たが、見た目だけ美しくても彼女と恋をするのは全く無理だ。
もっとこう…聡明で頭の回転の良い女子と恋をしたいと心底思う。


いや、ほの花様とて頭は良い。…表現が難しいのだが、やはりそこは"お嬢様"で、世間知らずという言葉が一番に出てくる。


我々護衛は度々、外の町へ出かけることはあってもほの花様は本当に外に出ることを禁止されていた。長期間外に出たのは鬼に襲われる前に三ヶ月ほどの期間だけ。あの時、何故外に出るのを許されたのかは不思議でならないが、結果としてほの花様と我々だけが生き残ることができた。
兎に角大事に過保護に育った彼女が外の世界のことをまるで知らないのは仕方ないことだが、手のかかるお嬢様に間違いない。


そんな彼女に初めての恋人が出来たのは半年ほど前のこと。
鬼殺隊の柱である宇髄様に見初められたのは良かったが、彼がいつもいつもヤキモキしているのを見ると本当に申し訳なさが募る。

確かにほの花様はとても美しくて誰もが羨むような容姿をしているが、男運が尽く無いことと亡き兄上様達に溺愛されていたことにより恋人が出来たことはなかった。

いま思えば可哀想だが、宇髄様のような美丈夫を恋人にできたのならば結果的には良かったと言える。
もし、宗一郎様と灯里様が生きていらっしゃって、恋人だと紹介した暁には大層気にいること間違いなしだろう。

それほど豪快で男らしい宇髄様はほの花様には勿体無いほどの素敵な男性だと思う。

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