第26章 君の居ない時間※
今日の宇髄さんは少しだけ強引だ。
もちろん集団感染の場に行くことが心配なのもあると思うけど、執拗に他の男の人に移り気しないか心配しているように感じる。
流石の私も正直、前者のことで頭がいっぱいで他の男性のことに気持ちが向くわけがない。
しかも恋人はこの宇髄さんだ。
どこからどう見ても他に移り気が出来るような要素はない。
吸い付かれた首筋に所有印を付けられるのはよくあること。
それなのに今日は同じ箇所を何度も何度も吸いつかれているようだ。
一個しか付けないと言ったことを守ろうとしているようで、同じところを何度も吸い付く彼は律儀なのだがそれでも付けたいという強い意志に舌を巻く。
それでも流石なのはそんなことをしながらも私の体を弄るのをやめないことだ。
モスリンから入れられた手が乳房の上でむにむにと動き、弱い刺激をずっと与えられている。
「…あ、っ…、ん…!」
そんな小さな刺激でも彼の手にかかれば、漏れ出る声は甘く変化する。
次第に手のひらの中で硬く主張し出した頂が擦れて大きな刺激になっていく。
「っ、あっ、んんっ、ふ、ぁっ…!」
ちくッと首筋に再び甘噛みをしている宇髄さんは尚も胸を弄りながらもそれをやめようとはしない。
それどころか甘噛みする前にレロっと這わされる舌の感覚が気持ち良くて体が震えてしまう。
「て、てんげ…ん!も、そこやめ、て…?」
「もうちょい。」
何が"もうちょい"なのか。
舐められすぎて首が溶けそうだと感じているのに彼の甘噛みは止まらない。
それどころか頂が勃ちあがってしまうことで、胸の刺激がどんどん強くなり腰が浮き上がる。
そんな私を簡単に天国にも地獄にも誘うことができるのは彼だけだ。
勃ちあがった頂を指で摘まれるとコリコリと捏ねられた。弱い刺激から始まったと言うのにあっという間にその刺激は私を絶頂の波へ誘って来る。
「っ、ああああっ!!んっく……っ!!」
体が震えてきたかと思うと、我慢できずに体の中に溜まった快感を解き放ってしまった。