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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※





「か、風柱様…!大丈夫です!兎に角私は毎年予防接種を受けていますので、すぐに出発できます。蟲柱様がいらっしゃるまで、私が何とか処置を請け負います。私の元護衛三人も同じように毎年予防接種を受けていますので四人で行きます。何としても全滅は食い止めますのでお任せ下さい。」


あの三人の了承も得ぬままこんなこと言ってしまったが…事情を話せばあの三人ならば分かってくれるだろう。
それほどまでに信頼関係を構築できている間柄だ。


しかし、穴が開くほどこちらに睨みを効かせてくる一人が誰かなのか言うまでもないが、現段階でそれしか方法がないのだから仕方ないではないか…。


「そうかァ…。分かった。こうなっちまうと俺らは何もできねェな。」


「そんなことありません!兎に角ご自身が罹患してるかもしれないと思って行動してください。健康な人で、尚且つ柱の皆様のように鍛えてる人程、無症状でも保菌している可能性が高いのです。どうかこれ以上感染拡大をしないように口を覆い、毎日手洗いうがいをしてください。手は高濃度のエタノールやお酒で消毒するのも効果的です。」


「…わかった。徹底しておく。」


そして嫌な視線を一身に受けるがその先にいる人が持っている薬箱がどうしても必要なので、そのままそこに向かうと目配せをする。


「あの音柱様、それ貸してください。」


「…はぁ、…。ん。」


深いため息を吐いた後、それをすぐに渡してくれたのは良いが、視線はまだ刃物のように突き刺さる。


「あ、ありがとうございます。」


今日、これを持って来てよかった。
宇髄さんから薬箱を受け取るとすぐ様、蓋を開けて箱の中身を確認した。


小さなアンプルは全部で10本。
柱の人の分は何とかありそうだ。
これは宇髄さんと里に帰った時に地下の研究室で目に入ったので偶然持ち帰って来たもの。

まさかその時はこれが役に立つとは思っていなかった。
何ならあれほどまでに実母に感染症について口酸っぱくなるまで言われていたと言うのに此処に来てからと言うもの幸せに浸っていてうっかりすっぽ抜けていた。

何も自分達を脅威に陥れるのは鬼だけとは限らないのだとこの日改めて思わされた。

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