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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第26章 君の居ない時間※





「あ、待って?産屋敷様のところへ行くならついでに薬箱持って調合しようかな。」


どうせ行くならその方が効率もいいし、産屋敷様も私を何回も出迎えなくて済むわけだから体力的にもその方が良さそうだ。


「あー、そうだな。せっかく整理したばかりだし、持っていけば?俺が持ってやるし。」


宇髄さんも賛成してくれたのでそれを肩に担ぐと足早に彼の元に向かうが、持ってもらうつもりはない。
これは私の荷物だし、継子が師匠に荷物持たせるなんてあり得ないことだ。


しかし、そんなことを理解してくれる宇髄さんではない。


「貸せよ。持つから。重いだろ?」


「大 丈 夫 で す!!!私は継子なので!師匠に持たせるわけには行きません!!」


「はぁ?また体裁かよ。じゃ、勝手に持つから、悪く思うなよー。」


簡単に私の手から薬箱を取り上げると、天高く私の取れない位置まで上げて取れないようにしてしまう。
勿論、私のために持ってくれているのは分かるが、今回は産屋敷様の御前なのだ。
流石に体裁は気にしても誰も文句は言わないと思う。

文句を言うのは宇髄さんくらいのものだ。


しかし、彼の力に敵う筈もないのも分かりきったことで、私は結局「薬箱の代わりにこれを持て」と言われた彼の手を握り産屋敷邸へと向かう羽目になった。

当主の屋敷に行くのに、自分の荷物を師匠に持たせた挙句、手を繋いで行くなんて頭どうかしてるとしか思えない。


それでも私の不平不満など取り合ってくれない宇髄さんに手を引かれて産屋敷邸へと向かったのだが、私はこの時ほど宇髄さんを説得すればよかったと思わなかったことはない。
何故ならば産屋敷邸に広がった景色が普通に考えたらあり得ない光景だったからだ。


基本的に柱が揃うのは柱合会議のみ。
そう柱合会議のみのはず。


それなのに、着いた先にいたのは…


岩柱 悲鳴嶼行冥さん
水柱 冨岡義勇さん
風柱 不死川実弥さん
炎柱 煉獄杏寿郎さん
蟲柱 胡蝶しのぶさん
蛇柱 伊黒小芭内さん
恋柱 甘露寺蜜璃ちゃん
霞柱 時透無一郎くん

あろうことか継子と手を繋いで来た
音柱 宇髄天元 は私の師匠で恋人。


そしてたかが継子で薬師の私。


神楽ほの花。

どう見ても場違いな自分の姿に早々に逃げ出したくなったのは仕方ないと思う。
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