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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第25章 甘える勇気





「荷物いい?重くない?」

「はぁ?誰に向かって聞いてんだよ。」


ほの花の手を引いて屋敷に向かって歩いていると、心配そうに俺の手にある浴衣一式を重くないか聞かれる。
…が!いつもコイツを抱き上げたりしても平気な俺に浴衣如きが重いわけない。

要するにコイツは買ってもらったのが自分の物だから持たなくていいかと聞いているのだろう。


普通聞くか?
恋人と出かけていて、荷物が多ければ男が持つのが普通だろう。まぁ、普通が通じないのがほの花だが。


「あ、いや…!天元が力持ちなのは知ってるよ?!手伝わなくていいかなって…。」


「じゃあ、俺の手持ってろ。離すなよ?お前が絶対持ってなきゃいけないのはそれ。分かったな?」


「あ、いや、…う、うん。じゃあ…。ありがとう。」


「いいか?絶対に二度と離すなよ?俺の元から二度と去ろうだなんて考えんなよ?」


今日はどうしたわけか。ほの花がいなくなりそうです怖い。心なしか握る手にも力が入ってしまう。


そんな俺を見てもキョトンとした顔を向けるのみでよく分かっていなさそうなほの花だが、ただ笑顔を浮かべて頷いてくれるので少しだけホッとする。


「天元、どうかしたの?私、此処にいるよ?」


「分かってるけどよ。俺だって不安になることくらいあるんだわ。二度と離さねぇから。分かったな?」


「うん。分かってる…けど、天元が不安になることなんかあるんだねぇ!意外…。」


「そりゃあるっつーの!朝起きてお前が腕の中にいるか確認することもあるんだぞ?!いなかったらちょっと焦るしよ。」


別離期間があってから不安になることもたまにある。
だからこそ余計にこの手を離したくないと思っているのに、まさかのほの花から「このままの関係でもいい」なんて言われるから女々しくも気になって仕方がない。


「どこにも行かないって。約束する。絶対にどこにも行かないよ。天元のそばにいる。」


そう言って笑うほの花が隣にいるのに胸騒ぎは治らない。道の真ん中で無遠慮に彼女を抱き寄せるとそのまま口付けをぶちかます。

もちろん恥ずかしがり屋のほの花に後から怒られたが、いなくなられるくらいならば怒らせた方が遥かにマシだ。

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