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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第25章 甘える勇気





しかしながら、到着が遅れているのも事実でどうしたものかと思ったが取り敢えず彼を引き止めなければと瞬間的に思った。

宇髄さんは必ず来てくれる。
そう確信していたから。


「さぁ、ほの花。行こう。今日は君との熱い初夜の日だよ。君のために着物も設えたし、布団も新しいものを買った。」


「いや、行きません。もう少しお待ちください。彼は来ますから。私は何度も言っていますがあなたのことは愛していません。」


初夜の準備とは飛躍しすぎではないか。
そもそもいつ私がこの人と交際を始めたというのだろう。愛したと言った覚えもないのに此処まで言われて迷惑極まりない。


「まだそんな意地を張っているのかい?そこまであの男に義理だてする必要などないだろう?まさか…ほの花…、ッ、そ、それは何だ!!その…、紅い痕は…!!」


握られた手を振り払って顔を背けるが、そのせいで彼が逆上し始めた。
紅い痕と言うのは恐らく、昨日の情交の際に彼が付けた所有印だろう。
朝確認した時は無かったはずなのに…。
義晴という男が目を見開き、見つめる先は首の後ろ。

流石にそんなところまで確認できていなかったので気づかなかったが、逆上する意味もわからない。

所有印を残されても、私は宇髄さんのものであることは間違いないのだから。


「ふ、ふしだらな女だ!僕の女でありながら…他の男に体を許すなんて…、そういう悪い女は一度体に分からせてやらないとね…?」


すると何を思ったのか、人の屋敷の玄関先で私の着物の合わせ目を強引に引っ張り始めた。

この人、本当に頭大丈夫だろうか。
こんな男の力に屈することなどないが、引っ張られたことで胸が半分露わになってしまったので慌てて着物を引き寄せた。


「着物が破れるのでやめてください。」


「僕の女だということを分からせてやる。この尻軽女が…!」


「おい、人の女を尻軽呼ばわりすんな。」


尻軽女ですって?!と謂れのない悪口にムッとして睨みつけてやろうとしたところで漸く待ち望んだ温もりに包まれて胸を撫で下ろした。



「…遅いよ、天元…。」


「悪ぃ、悪ぃ。ちと野暮用でな。」



私を自分の背中の後ろに隠してくれると自分よりも一尺ほど小さな相手を見下ろす宇髄さんが格好良くて、背中に縋りついた。


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