第24章 情欲は無限大※
「あははっ!つめたーい!」
水遊びでもしてるかのように笑い出すほの花に頭を抱えた俺。
(…駄目だ、こりゃ。連れて帰るしかねェな。)
酒の強い俺はまだまだ飲み足りないし、もっと飲もうと思っていたが、こうなってしまえば仕方ない。
しかし、今日のほの花は俺の予想を遥かに先に裏切ってくる。
酒でびしょ濡れになったからと言って、隊服の上着を勢いよく脱ぐと不死川と煉獄にまた絡み出した。
「しなじゅがわしゃん!れんごきゅしゃん!おしゃくしましゅ!!」
上着を脱いでしまうと肩は露わになるわ、胸元のピロピロは辛うじてあるが、乳が丸見えだわ…。
とても容認できるような格好ではないのに、不死川と煉獄の腕に絡みつき、空の徳利を掲げているほの花。
そろそろ堪忍袋の尾が切れそうだ。
「…おい、ほの花。そろそろ怒るぞ。こっちに来い。上着脱ぐくらいなら胡蝶になんか服貸してもらえ。」
「ああ!持ってきますね。」
「悪ぃな。胡蝶。」
「いえいえ」と言って笑って出て行った胡蝶だが、こちとらこの状況は笑えねぇ。
「えー…うずいしゃんものみますか!こっちおいで〜。えへへ。」
「こっちおいで〜じゃねぇっつーの!俺は犬か。」
「ちがーう!!うじゅいしゃんは私の……えへへへ、こいびと!!」
そういうところをちゃんと覚えていてくれるだけでも嬉しくて簡単に許してしまいそうになるが、慌てて頭を振る。
「おー、その恋人が怒ってんのわかんねぇ?早く来い。」
「えー…、うじゅいしゃん、なんかかおこわいっ!!こわいよー!おこってるーー!」
「怒らせてんのお前だろうが。」
「こわいひとのとこにはいかないもん!しなじゅがわしゃんと、れんごきゅしゃん、は優しいもん。」
しかし、俺から放たれる黒い怒気に流石の二人は気づき、惨状に顔を引き攣らせている。
「…お、おい。ほの花。宇髄のとこ行け。な?」
「うむ。そうだ、悪い事は言わない。宇髄のとこに帰った方がいい!」
「むぅ…….、わかりまひた…。」
ぶぅっと不貞腐れたような表情を浮かべながら俺のところまで戻ってきたほの花にため息を吐くと頭を撫でてやる。
少しでも安心させてやらねェと喚き散らすと困るからな。