第24章 情欲は無限大※
馬鹿だ、馬鹿すぎる…。
今までも薬師としては素晴らしい働きをするというのにふとした時に馬鹿なやつだと思ってきたが、本当に馬鹿すぎる。
流石の俺もほの花と情交しすぎたせいで腰痛を引き起こさせてことなど他の男に言うわけがあるまい。万が一でも想像されたら腹が立つし、不死川のことをいくら信頼していようと、頭の中でおかずにされちゃたまんねぇ。
それなのに不死川に体は大丈夫なのか?と聞かれた時に顔を真っ赤にさせたほの花に「あ、やべーかも」と思ったが時すでに遅し。
自ら墓穴を掘ったほの花にかける言葉と言えば冒頭の台詞しか思い浮かばない。
「……お前、馬鹿だろ。」
「…うう…、だって…。」
「??まぁ、飯が食えるようになったから来たんだわな。良かったなァ?」
「ほの花は体調を崩していたのか!!だが、元気そうで良かった!」
不死川はほの花の失態も気にした素振りもせず、続け様に煉獄も突っ込んでこなかったのでこの四人の中で事情を知っているのは俺とほの花の二人のみだ。
それ故、コイツを馬鹿だと思っているのも俺だけ。
たまに天然炸裂させてくる奴ではあるのだが、此処まではっきりと墓穴を掘る天然はもう馬鹿としか言いようがない。
そんなところも可愛いのは間違いない。
ただ馬鹿なのも変わりない。
うっかり俺のことを責めてしまったのも恥ずかしくてたまらないようで後ろに隠れてしまった。
不思議そうに俺らを見たが大して気にせずに前を向いて歩いている二人には深く聞かれなくてホッとした。
それを確認すると後ろを振り向き、ほの花にしか聞こえない大きさの声で話しかける。
「…お前な。」
「ごめんなさいぃ…。もうやだぁ…。」
「言うわけないだろ?おかずにされっかもしれねぇことを。」
「…す、すみません…。」
「帰ったらシてもいいよな?昨日は我慢したんだ。な?いいだろ?」
こんなところで、こんな状況で断れるような奴ではない。
そんなことを分かっている俺は敢えて聞いてやるのだ。言質を取ってるか取ってないかでは圧倒的に前者のがことを有利に進められると言うものだ。
後ろでコクンと頷いたほの花を見ると拳を握りしめて軽く突き上げた。