第24章 情欲は無限大※
結局、手土産を買い、夕方頃に宇髄さんに半ば引き摺られるように蝶屋敷へ向かうと玄関前で見知った顔が目に入る。
派手な羽織を翻し溌剌とした煉獄さんと傷だらけで見た目は怖いのに心根はすごく優しい不死川さんだ。
「よぉ!お前ら!」
「こ、こんばんは…!」
敢えて宇髄さんの後ろにいたと言うのに腰を引き寄せられると隣に並ばせられてしまう。
そんな私のことを気にもせずに二人が挨拶をしてくれたことで少しだけ緊張の糸が解けた。
「お、ほの花じゃん。久しぶりだなァ?元気そうじゃねェか!」
「うむ!ほの花も来たのか!今日は楽しもう!!」
「あ、えと、…すみません。お邪魔してしまって…!」
「コイツさ、おっさんみたいに体裁ばっか気にしやがるからよ。お前らからも言ってくれよ。柱同士の会には参加できないって言いやがるんだわ。」
そういう言い方したら例え「お前は場違いだ」と思っていたとしても合わせるしかないではないか。こはるちゃんの件ではあれほどうまく立ち回り見事、問題解決ができたと言うのに今の台詞は頂けない。
「ん?何故だ?参加すればいいだろう?」
「何言ってんだァ?お前は。」
「だろ?お前らもそう思うだろ?ほらな。言ったとおりじゃねぇかよ。ばーか。」
「あ、いや…ハイ。ありがとう、ございます…。」
こうなってしまえばもう図々しくも参加させてもらうしかないので腰を引かれるがまま中に入って行く。
体裁を気にすると言うのが気に入らないようだが、日常生活を送る上で、必要な能力だと思うのだが…?
「ほの花、体はもういいのかァ?」
前を歩いていた不死川さんが、突然そんなことを言ってくるものだから何故そんなことを知っているのかとカァーッと頭に熱が溜まった。
「なっ、な、、なんでそんなこと知ってるんですかぁ?!宇髄さん、話したんですかぁ?!や、やめてくださいよぉ!!」
「は?お、おい…。ち、違ぇって…。」
「??飯食えるようになったかどうかがそんな恥ずかしいのかァ?」
「え…?め、めし…?へ、…あ!!や、やだぁっっ!!宇髄さぁん!!!」
不死川さんの追加の言葉で漸く聞かれた内容がはっきりしたが、全くの見当違いのことで顔を赤らめていたなんて穴があったら入りたい状況だ。
私は宇髄さんの後ろに隠れて顔を隠すことしかできなかった。