第24章 情欲は無限大※
「じゃあ、こはるのこと宜しく頼むわ。」
「宜しくお願いします!!」
「いえいえ!お役に立てるならばこんな嬉しいことはありません!どうぞお任せください。」
お母さんに御礼を伝えると一旦屋敷に戻るため、家を出た私と宇髄さん。先ほどと違い手ぶらになった彼は当たり前のように腰を引き寄せてくれる。
「ふふ、頼んでくれてたの?」
彼の腰に抱きつくと背の高い彼を見上げて、事情を知りたくて聞いてみた。
そんな私の頬を撫でると視線を絡ませて見つめられる。
「んー?まぁな。住むとこは必要だけどよ。あの母ちゃんがずっと"何か御礼を…"って言ってくるからよ。それなら頼んでみようかと思ってさ。」
「なるほどー。でも、お母さんなら子育て経験もあるし、適任かもしれないね。」
「当分の生活費は渡してきたけど、女も欲しかったらしいから自分の子として育てたいんだとさ。」
「あー、お母さんの気持ちわかるかも!男の子がいたら女の子も欲しいよね。」
「じゃあ、最低男女一人ずつは産まねぇとな?ほの花。まぁ、俺は何人でもかまわねぇけどよ。お前との子なら。」
突然自分の出産のことに話がすり替えられていて顔が熱くなってしまう。
妊娠騒動があってからというものこう言う会話がさりげなく入ってくると恥ずかしいが、嬉しくもある。
「……琥太郎くんとみたいに喧嘩しないでよ?」
「さぁねぇ?それよりお前、今日の夜絶対に行くからな?分かってんだろうな?変な気遣うんじゃねぇよ。」
突然蒸し返されたのは夜の柱の皆さんとのお食事会。ジト目で見つめてくる宇髄さんだけどまだ完全に納得はできていない。
「…えー…、あのどうしても?私、本当に場違いだと思うんだけど…。」
「俺の女として行くならいいだろ?別に仕事で行くわけじゃねぇんだからよ。」
「そうだけど…。不死川さんは兎も角、煉獄さんは一度しかお話したことないし、ご迷惑じゃないかな…?」
「アイツはンな小せぇこと気にしねぇって。そもそもお前が体裁とか何だとか気にしすぎなんだわ!もっと堂々としてろっつーの。」
宇髄さんはそうやって不満をぶつけてくるが、私からしたら死活問題だ。
ただでさえ特別扱いとか言われがちなのだから、できるだけ陰でコソコソ生きていたい。
派手好きな彼に私の気持ちはきっと分かることはないと思うが…。