第24章 情欲は無限大※
「ほの花もいいよな?」
と軽い感じで言ってくる宇髄さんだが、どう考えてもそのお食事会は継子が参加するようなものではない。
不死川さんも
煉獄さんも
そして目の前のしのぶさんも
皆、柱なのだ。
私はと言うと…宇髄さんの"継子"と言う立場。
場違いなことこの上ないし、しのぶさんだって此処に私がいたから仕方なく誘ってくれただけだろう。
しかし、目の前の二人は示し合わせたかのように顔を見合わせて頷いた。
「ま、そういうことだから二人で行くわ。」
「え?!ちょ、ま、っ?!う、宇髄さん?」
「はい、分かりました。楽しみにしていますね。あ、ここを真っ直ぐ行って突き当たり左のお部屋です。行きましょう。」
「や、あの、しのぶさん…!?」
私の反論など受け付けませんと言うかのように二人で華麗に無視してくるので困惑したままの状態で宇髄さんに引き摺られるように歩く。
「え、あの、…私なんかが同席したら…。」
「あ?私"なんか"…?」
「や、えと、その…、私はただの継子なので…。」
「お前は俺の婚約者でもあんだろーが。つまんねぇこと気にする必要ねぇからついて来い。いいな?師匠命令。」
婚約者だから同席していいなんて誰が決めたのだろうか。
しかしながら、"それ以上何も言ってくんなよ"という無言の圧力を感じたので言葉を飲み込み、仕方なくしのぶさんについて行く。
せめてカナヲちゃんが参加してくれるなら行きやすいのに…。こんな状況で"カナヲちゃんが来るのか"と言うことも聞きにくいので、身を任せるしかなさそうだ。
すると、突き当たりに到着したしのぶさんが「此処です」と言って指を差した。
誰かそこにいるのだろうか?
全く此処にきた意味すら知らなかったので、私は首を傾げて襖を見つめる。
「ほの花さんがいらっしゃいましたよ。開けますね?」
"ほの花さん"??
え、私?!
私に用があったと言うこと?
やっと此処にきた理由が分かると襖が開いて中の様子が見えるのをじっと待った。
全ての開ききったところでこちらを見つめていた少女を見て私は目を見開いた。
「こはるちゃん?!」
「お姉ちゃん!!」
そこにいたのは無一郎くんと一緒に行った鬼狩りで出会った天涯孤独になってしまった少女だった。