第24章 情欲は無限大※
胡蝶の言葉に図星を突かれて言い返すこともできない。しかし、ほの花が宥めるように抱きしめてくるのでこれはこれで体裁ばっかり気にしやがるし、役得っちゃ役得だ。
確かにコイツの性格考えたら遅かれ早かれ誰かに聞き出して俺のところに来ていただろう。
胡蝶に口止めしたところであんまり意味はなかったな。
「…じゃあ、まぁ……、悪かった。」
「?!ど、どうしたんですか?体調悪いんですか?宇髄さん、血鬼術でおかしくなってしまったんでは…?!ほの花さん、診療室に運んで下さい!」
「え、は、はい!!」
「どこも悪かねぇわ!お前もやめろ!」
慌てて診療室に運ぼうとするほの花を止めると二人で顔を見合わせて変な顔をしやがる。
失礼な女二人を何とか止めると、此処にきた本来の目的のために胡蝶と向き合う。
「で?どこにいんの?」
「??え?此処にいますよ?」
「お前じゃねぇわ!!ぼんくらみたいな言い方すんな!」
「ご、ごめ…!え、だ、誰のこと言ってるんですか?」
「ふふふ!あの子のことですね。蝶屋敷でお預かりしてますので、此方へどうぞ。」
ほの花の天然が炸裂しているのに、胡蝶はどこ吹く風と言った感じで、大して取り合わずに屋敷の中に入るよう促された。
まだ意味が分かっていないほの花の腰を引き寄せると支えながら歩いていく。
「とりあえずアイツに付いていけばわかるって。」
「そうなんですか?分かりました。」
胡蝶の後をついて行くと、屋敷の奥へと続く廊下をほの花と共に歩く。
すると、前を歩いていた胡蝶が突然振り返り、笑顔で話し始めた。
「そうそう。宇髄さん、今日の夜は非番だと伺ったんですが?」
「あ?ああ、そうだけど。」
「では、もし良ければ、うちでお食事でもいかがですか?不死川さんと煉獄さんもいらっしゃるんですよ。女性が私しかいなくて寂しいのでほの花さんも是非に。」
「お、いいね。酒盛りか。ほの花もいいよな?」
「え?!え、いや私は…!柱の皆様だけでどうぞ…!」
もげそうなほどぶんぶんと首を振るほの花にまたも余計なことを考えてるのだろうと察しがつき、ため息を吐いた。