第24章 情欲は無限大※

自慰によって早々に吐精をした俺はほの花の組み敷いた体と自分の体を合わせた。

たかが自慰の筈なのに一人でシていた時とは比べ物にならないほどの快感が体中を駆け巡り、全身に鳥肌が立っていた。

それでも隙間なくぴたりとくっついている筈なのに己の男根だけが再び主張をしてくる感覚が忌々しい。



「…ほの花、逃げるなら今だぜ…？俺、お前の体ぶっ壊しちまうかもしれねぇから。逃げたって別にお前のこと好きなのは変わらねぇし、気にすることはねぇからよ。」


顔を見ることなく彼女に覆いかぶさったままそう言えば体を押し退けるように押された。
やはりこんな状態で抱かれるのは嫌か…と思い、肘をついて彼女を見下ろすと、勢いよく両頬を引っ張られた。


「いでででっ！な、何だよ、お前！」


「何だよ、はこっちの台詞なんですけど！？た、たまたま落ちてた手紙に書いてあった"ほの花には適当に誤魔化しておいてくれ"って何？！馬鹿にしてんの？！」


「な、あ、あれはお前を傷つけたくなかったからで…！」


「傷ついた！その方がよーっぽど傷ついたんですけど！？しかも逃げろって何？！やっぱり馬鹿なの？！馬鹿天元！！馬と鹿って書いて天元って読むんだわ！！」


人がせっかく最後の機会を与えてやったと言うのにこの女はみすみすそれを逃すつもりのようだ。捲し立てられるその言葉は俺を馬鹿にしているのだが、そんなことよりも彼女の愛が詰まっていると強く感じた。

言い放っている間も俺の頬に優しく置かれる手は温かくて慈悲深いまま。
見上げる瞳は怒っているのに何故か穏やかに目尻を下げている。



「…馬鹿っつーなよ。お前のが馬鹿じゃねぇか。こんなところまでのこのこ来やがって…。」


「ううん。私は馬鹿じゃないもん。大好きな恋人がつらい時にそばにいられないなんてそんな地獄みたいなこと絶対に嫌！！一人で耐えるくらいなら一緒に耐えるよ！！私たち添い遂げるって約束したんでしょ？つらい時はそれを半分こにすればいいんだよ。頼ってもらえないことの方が私はつらくて悲しいんだから！天元だって同じ立場ならそう考えると思うよ。」



そこまで言えばほの花は再び自ら首に手を巻きつけると唇を合わせてきた。
ちゅ、っと言う音が聴こえると、俺は堰を切ったかのように夢中で唇を犯し始めた。