第24章 情欲は無限大※
「…やっぱり嫌です。教えてください。お願いします。」
結局のところ、悶々と考えていたとて大したことは思い浮かばない。
とにかく会いたい。
その先のことはその時に考えればいいじゃないか。
「…ほの花さん。宇髄さんから…あなたを傷つけるかもしれないからと…。」
「傷つけるって何ですか?!わたし、今のが傷ついてます!大好きな人に頼ってもらえなくて、会いたいのに会えなくて…。血鬼術のこと教えてください。何とか治す方法を模索すればきっと…!」
「超強力な催淫作用がある血鬼術なんですよ。」
「……へ?」
「だから催淫作用です。」
呆れた顔をしたしのぶさんの言葉に私の顔は真っ赤に染まっていると思う。めちゃくちゃ顔が熱いし、急に冷や汗が出てきた。
催淫作用とは…要するに…
致したくて、致したくて仕方なくなってしまうと言う…俗に言う性欲増強作用と言うことで…。
(…え?というかあの人そんなものなくてもめちゃくちゃ絶倫じゃん…。)
いや、だからこそ静養が必要なほどの状態ということか。
「…あの、それって時間が経てば抜けていくんですか?」
「ええ。鬼は既に消滅していますし、その効果だけが持続している状態で、時間が経てば治ります。ただあなたを傷つけるかもしれないから言うなと言われました。言ったらどうせ来てしまうからと。」
そこは流石。よく分かっていらっしゃる。
もう既に私は行く気満々。
何なら彼と会いたくてたまらなかったと言うのに、そんな理由で会えないなんてちょっと納得ができない。
「はい。行きます!どこにいるんですか?」
「……話聞いてました?教えられないんです。」
「私が無理やり聞き出したということにしてくれて良いですから。教えて下さい。教えてくれるまでしのぶさんの後を付き纏いますよ。」
「…酷い脅し文句ですね。此処に宇髄さんが鎹鴉に託して送ってくれた手紙があります。手荷物が多くて誤って落としてしまう可能性がありますので、その際は拾っておいてくださいね?」
わざとらしくそう言うとしのぶさんは懐から出した手紙を床に置いて出て行った。
(…この手紙は拾ったついでに見てしまったことにしろってことですね。)
私はそれを拾い上げると、ゆっくりと開き中身を確認していく。