第24章 情欲は無限大※
宇髄さんのことだと分かってしまえば、全身に鳥肌が立ち震えが止まらなくなった。
まだ何も聞いていないと言うのに。
「…え、な…なんです、か?」
震える声でそう聞けば、しのぶさんはゆっくりと私の目を見て話し始めた。
「…宇髄さんが階級の低い隊士を庇って血鬼術にかかってしまったようなのです。」
「い、生きてるんですか?!怪我は…!?どんな状態なんですか?どこにいるんですか?!」
震えが止まらない私は宇髄さんのことが心配でたまらなくてしのぶさんに詰め寄った。
「…落ち着いてください。生きています。大丈夫です。…ただ、落ち着くまで静養するからほの花さんにそう伝えてくれと言伝を頼まれました。」
「静養…?ど、どこにいるんですか?私、救護に行ってきます!」
「すみません。ほの花さんに教えるなと言われていますので。」
「…え、な、なんでですか?!私は役に立てませんか?」
何でそんなこと言うの?
私に教えるなってどういうこと?
会いたく無いってこと?
怪我はしてないの?
どこにいるの?
会いたいよ。
「役に立てるとか立てないとかではなく…、会えるような状態では無いそうでして。」
「怪我してるんですか?!それか毒ですか?!私、応急処置もできますし、解毒剤も作れますよ?それなのに…なんで…?好きな人の役に立てないなんて…悲しすぎますよ…。」
どんな状況か分からないけど、頼ってもらえないことに悲しさが募り、ついに涙が溢れ出てきた。
宇髄さんに会いたい。
宇髄さんがつらい状況ならできることをしたいと思うのに彼が拒否している現状が歯痒くて悲しい。
「…ほの花さん…。泣かないで下さい。大丈夫ですから。」
「宇髄さんっ、に会いたいんです…。何で私に教えたら駄目なん、ですか?酷いです、宇髄さん…。」
「…あなたのためなんです。どうかご理解ください。」
そう言うしのぶさんもつらそうに笑っているので逆に申し訳ない気分になる。
しかし、それでも諦めきれない私は頭の中で会う方法を必死に考える。
血鬼術の種類的にひょっとしたら伝播性のあるものなのだろうか。
それならば防護服でも何でも着て行けばいい。
兎に角、彼がつらい時にそばにいられないなんて言うことは二度と経験したくなかった。
宇髄さんが風邪をひいたときのように。