第24章 情欲は無限大※
「あら、終わったんですか?お仕置きは。」
「まぁな。」
あの男の部屋から出てすぐに胡蝶に再び会うことができた。此処にきたのはもう一つ用事があったからで、その相手が胡蝶だったのだから好都合だ。
「そういえばほの花の奴、普通に月のモノ来たわ。ったくよぉ、ちょっと楽しみにしてたのに。」
「そんなこと言われてもあなたの方がほの花さんの月経周期を分かっていらっしゃるでしょう?私は症状が妊娠初期のものと似通っていたことと宇髄さんがほの花さんに対して性欲旺盛そうなので助言したまでです。」
「性欲旺盛っつーところは派手に当たってるけどよ。それよりアイツ経口避妊薬っつーやつ飲み始めてるらしいからさ、大丈夫だとは思うけど副作用とかあったら頼むな。」
「あら、ほの花さんが作ったんですか?それは興味ありますね。今度調合を聞いてみます。」
興味津々な顔をしてるが、俺からすればほの花の体の方が心配でたまらないと言うのに。
研究熱心なのは分かるが、医療者っつーのは見境なく貪欲な奴が多いのが玉に瑕だ。
「ああ、そうそう。ほの花さん、月経痛が良くなったら一度こちらに来るように伝えてもらえますか?」
「いいけど、何で?」
「彼女が助けた女の子なんですけど…天涯孤独のようで一般人なのでどうしたものかと思いまして…。」
「…へぇ。アイツ一般人も助けてたのか。」
任務のことはしっかり聞いていないので初耳だった。今回の件は俺としてはほの花の妊娠疑惑に気を取られていたのは否めないし、任務内容をきちんと確認できていなかった。
「そうなんですよ。どうやら稀血らしくて。藤の香りの匂い袋をほの花さんが渡したみたいで、その子がほの花さんのことを待ってるんです。"あのお姉ちゃんに会いたい"って。」
「なるほどね。分かった。それなら来れる時にまた連れてくるからそう伝えてくれ。その経口避妊薬のおかげで月経痛がいつもよりは軽いらしいからよ。」
稀血か…。
ほの花のことだからそれもあって余計に放っておけなかったのだろう。町に帰しても家族がいないんじゃ、怪我をしていても看病もしてもらえない。
此処で考えていても仕方がないので、俺は家に帰る前に、とあるところに寄り道をして帰ることにした。