第23章 早とちりも程々に※
そもそも薬なんて飲むっつーことは子ができたら困るって思っていたってことか?
考えたら止まらないその想いをほの花にぶつける。
「何で薬飲もうと思ったわけ?」
「いや、経口避妊薬と言っても避妊の効果もあるけど、月経痛を和らげる効果もあってね。だから鬼殺隊の女性隊士の人に使えないかなって…。」
それを聞くと安易に"飲むな"と言ってしまったことを後悔した。ほの花は月経痛が重いようだし、それならば飲んでもらった方がいいのだろう。意図的に妊娠させない薬なんて体に悪いんじゃないか?とそれだけに考えを取られてしまったため、悪いことばかりが頭に浮かんでしまった。
「俺との子が欲しくねぇわけじゃねぇんだな?」
「ええ?!まさか!天元との子が欲しくないわけないよ!試作品、試してみたくて飲んでただけ!でも、お腹の痛みはあんまり変わらないからもうちょっと改良しないとだなぁ…。」
「それなら、良かった…。あーあ、やや欲しかったなぁ…。」
「…ふふ、ごめんね?私、あんなに天元が望んでくれてるって知って嬉しかったよ。ありがとうね。」
そんなことは当たり前だ。
胡蝶のところへ連れて行こうと思って出した羽織をやはり肩にかけてやると、布団に横たえた。
「腹痛ぇんだろ?もうちょい寝てろよ。摩ってやるから。」
「えへへ、ややはいないけどまだ摩ってくれるの?」
「そりゃァ、残念だけどよ。俺はお前が一番だから。絶対将来は子作りするからな。」
「うん。ありがとう。」
後ろから抱きしめる体は温かくて、風呂にでも入っているかのように癒される。
若干体が熱い気がしたので、心配になって聞いてみることにした。
「なぁ?お前、微熱またねぇか?大丈夫かよ。」
「あ…!あのね、月経前と月経中はちょっといつもより体温高いの。だから一昨日から微熱あったんだと思う。」
「何だよ、そういうことかよ……。胡蝶のせいで一喜一憂しちまったぜ。」
…とは言え、胡蝶が心配するほどコイツのことを抱きまくっているのは事実なわけで、避妊はしてるつもりだったが、完璧な避妊など難しいわけで。
でも、万が一そうなったとしてもほの花と共通認識の下、ややが出来ても困らないと言う結論に至れたのは良かったと言える。