まさか…自分が呪術廻戦の世界に……?【分岐END短編】
第3章 貴方の術式を再利用【伏黒ルート】
私が目を覚ましたのは次の日の夜中だった。
「やっと目ぇ覚ましたか」
ここは…医務室…そうか、あの時外に出てからすぐに気を失ってたから…
「恵が運んでくれた」
「えっ!伏黒くんが!?」
勢いよく起き上がろうとしたら横腹と頭に激痛が走った
「っっ……」
「安静にしてろ。恵ならほら、そこで…って寝てる」
家入さんが指さした方を見るとソファで寝落ちてしまった伏黒くんが居た
「あいつ、午前中の授業が終わったら見に来て午後も暇さえあれば見に来てたぞ?」
「え、」
伏黒くんが……?
「あぁ…今寝てるから言っておくがな、あいつお前のこと好きみたいだぞ?ま、私の見る限りだがな」
「はっ?え…うそ…」
すやすやと眠る彼を見ているとまつ毛が長くて女の子みたいだななんて…そう思っていたら"ん"という声が聞こえてきた
「伏黒…くん?」
「……ん…西条…?良かった目覚ましたか」
「う、うん。ありがと、運んでくれたんでしょ?私の事」
「まぁ…車に運んだりここまで連れてくるだけだから大したことじゃねぇよ」
私が目を合わせようとするとふいっと顔を背ける。やっぱりそうなのかな…
「西条は任務無いかもしれねぇが、恵はあるのか?」
「いえ、外してもらいました。」
「ほぉー…なら悪いけど西条を部屋まで運んでくれるか?」
「はい、わかりました」
その会話を聞きながらゆっくり起き上がって
「点滴の中に痛み止め入れてるからもうそろそろ効いてくる頃だろ」
「ありがとうございます」
点滴の針を抜いてもらい、そっとベッドから降りた。
体の右側が痛い。呪力を全力で込めている時は痛みを感じないから切られても平気だった、けれど意識が回復して呪力が戻ってくると痛みが襲ってくる
「大丈夫か?」
「ん、多分……強い痛み止めあるから効かなかったら飲むし…」
「なら、良かった」
心配してくれてるのがすごく嬉しくて彼にバレないようににこっとしていた。
「おやすみ、なんかあったら電話しろよ」
「え、いいの?寝てる時に起こしちゃうことになるけど…」
「んでだよ、駆けつけられなくてなんかあったら困るだろ」
「あ、うん…ありがと」
「ん。」
「おやすみ…」
「おやすみ、明日頑張れよな」
そのまま部屋に入って、ベッドに倒れ込んで寝た