第1章 竹取物語
あまの、はごろも?
「君の存在を14年間も隠してた代物さ。
小さい時からずっと肌身離さず持っていたものがあるだろう?」
あまのはごろもに身に覚えはなかったが、
小さい時から片時も離さなかったものならある。
離しちゃいけないと、お母さんから言われていたもの。
「白い、ペンダント…」
そう言うと、目の前の男の口角がニィ、と上がった。
「そうそう!ペンダント!
あれを外しちゃったから、全呪術師に君の居場所がバレたのさ」
呪詛師にもね〜ついでに呪霊にもね〜
と男は私の知らない単語を並べる。
今まで、理由もわからずつけてきたペンダント。
あれが私の居場所を、じゅじゅつし、から隠してた…?
「今それ、どこにある?」
「っ、」
彼が放つ低いシリアスな声に
うまく息ができなくなるのはどうしてだろう。
「えっと、どこかに落として、」
私がそう言うと男は堰を切ったように笑い出した。
「は?落とした?ハッハッハッ!!
そのドジっぷりでよく14年間も隠れられたなぁ」
そして、りょーかい、と言うとどこかに電話をした。