第1章 竹取物語
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「中学生にこんなこと言うのは酷なんだけどさ、
君の、秘匿死刑が決定した。」
無数の蝋燭が無数のお札を照らす部屋で
私は両手足を椅子に縛られていた。
「理由は、君がかぐや姫だから。実は生まれた時から君には暗殺命令が出されてたんだ。みんな強すぎる力は怖いからね
それにかぐや姫は魔性の女だし?
たらし込まれる前に殺しちゃおう!って算段さ。」
目の前の包帯で目隠しをした見知らぬ男が話す言葉が
何一つ理解できない。
「えっと、こ、ここは、あの、あなたは…?」
頭が混乱して聞きたいこともうまく言えなくなっていた。
…怖い。
強張った体に余計力が入ったのが伝わったのか、彼はまた口を開く。
「あぁ!ごめんごめん、怖がらせちゃったかな。
その様子じゃあ、君、自分が何者か、わかってなさそうだね」
…わたしが、何者か?
はいも、いいえも言えずにただ固まっていると、
彼は声色を変えて話し出した。
「君、天の羽衣、脱いだでしょ。」