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カリスマ達の愛は重い【カリスマ】

第4章 ファーストキス


 ちゅ。


「んんんん!?!?!?!?」


 理解さんのどアップ。
 こんなに間近でその赤い目を見たことなんてなかった。
 理解さんはゲーム機のせいで両手がふさがってて起き上がれない。
 私も変な風に倒れてしまったせいで、手の自由が利かず、なかなか体を起こすことができないでいる。


(これってキスだよね。いや、そんなことよりも起き上がらないと)


 思考がまとまらない。
 中途半端に身体を動かそうとすると、顔もわずかに動きキスの角度が変わる。


(これはただの事故。これはただの事故)


 そう言い聞かせてみても状況が変わるわけじゃないし、緊張は増すばかり。


(もういいや。落ちちゃえ)


 起き上がることを諦めた私は、身体を回転させて床に落ちる。
 高さはさほどないし自分で落ちたから痛くない。
 それよりも……。


「……」


 顔が上げられない。今、理解さんの顔を見てまともな顔でいられる自信が全くない。


「なんか今、音がしませんでしたかー?」


 理解さんのものではない声が聞こえて、ビクッと肩を震わせて顔を上げる。
 そこには依央利さんとテラさんが立っていた。


「ちょっと天音、顔赤いけど大丈夫?」
「えっ、風邪ですか? 大変。すぐに部屋まで運びますね」
「だ、大丈夫だから! 風邪じゃないし!」


 二人が私たちのいるソファに近づいてくる。


「あれ? 理解さんも顔が赤くありませんか?」
「ほんとだ。ていうかなんで天音は床に座ってるの?」


 だんだんと二人の顔に不信感が浮かんできている。


(どうしよう。何か説明しないと……あぁ、でもどう誤魔化したらいいのか分かんない)


「もしかして理解さん、天音さんのこと襲った?」
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