【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第18章 心の壁【3月】
side.名前
「とりあえず戸籍は何とかなる」
「うん」
「家も名前さえ嫌じゃなかったら一緒に住みとうと俺は思っちょる」
「うん」
「立海は私立じゃ。事情があれば優先的に学費ローンも組めるようにもなっとる。じゃけえ名前はどうしたい?」
「そっか…」
雅治くんの提案は、非常に有難いお話だった。
でも、この先ずっと雅治くんと上手くいく確証なんてない。
気まずくなった時に放り出されたら生きていける気がしない。
だったら初めから甘えない方がいい。
「家は…暫く考えたいな。その間は申し訳ないけど、お世話になりたいと思う。学校は仕事しながら定時制に行くことを考えてるよ」
私は良く考えた末に、決断を下した。