【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第17章 私も好き【3月】
side.柳蓮二
こんな時に誰だ?
室内が見えないよう小さくドアを開け、人物を確認する。
すると、見知らぬ女子が顔を赤くさせながら立っていた。
俺を見るや否や、驚いた顔をして、余計に顔を赤くさせる女。
何故驚く?
俺は怪訝に思うのだが、その女子は何故か大きいトランクを2つも持っており、今度は俺が驚くのだった。
兎にも角にも、尋ねてきたからには何か用があるはず。
「何か用か?」
「あっ、あの、お忙しいところすみません。今、仁王雅治さんはお手隙でしょうか?」
お手隙?
ある意味お手隙ではないのだが…
そう思いつつも、一先ず仁王に用があるのは分かった。
だが、あの状態の仁王を会わせて大丈夫なのだろうか?
俺は女子に少し待つよう伝えてから一度部室のドアを閉めた。