【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第15章 もう隣にいない【2月】
side.名前
私は本当に彼が好きだった。
だからこそ彼の幸せを願ったのに…
おかしい。
彼は望んだ世界にきちんと帰れたじゃないか。
よかったじゃないか。
なのに、何で…
何で私は泣いてるの?
昨日までの自分はどうしたの?
雅治くんの幸せのためなら何でもしてあげられる。
そう思っていた自分はどこにいったの?
涙と一緒に溢れてくる気持ち。
悲しいよ。
寂しいよ。
彼はこんな私をどう思うのだろう。
本当に救われたのは私だったと知ったら…
彼と出会った時の私はうつ病だった。
彼氏との間にできた子供。
彼の親に反対され、彼からも産まないで欲しいと頼まれた。
それがDVだと気がつかず。
色んな人から責められ、うつ病になり、判断力を失くした私は子供を手放した。
喪失感から消えてしまいたいと何度も願ったの。