【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第14章 行ってらっしゃい【2月】
side.仁王雅治
「‥‥‥う!」
誰かが俺を呼んでいる。
「‥‥おう!」
名前じゃない。
「‥におう!」
すごく懐かしい声。
「仁王っ!起きんかぁーー!!」
ゴツンッ!!
「いぃ、って~~~!!」
「卒業式の練習をサボるなど、たるんどる!」
「、!!」
予告なしに降ってきた痛みで、覚醒する。
こんな事をする人物を、俺は一人しか知らない。
懐かしいこの声も、話し方も俺の知っている限り、一人だ。
痛みで涙目になりながら、薄く眼を開ける。
すると、やっぱりが真田いた。
「真、田……何でこんなとこにおるんじゃ?」
「蓮二に聞いたのだ!仁王が保健室で怠っているとな!」
「保健室?」
見渡せば、確かにここは立海の保健室。
そうだ。
異世界に行く前、俺は確か保健室でサボっていた。