【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第14章 行ってらっしゃい【2月】
side.名前
「私は行けないけど、もし雅治くんが今みたいにテニスが大好きで、一番になれたら、今度は立海が主役の漫画が出るかもしれないでしょ?」
「そうかもしれんな」
「そうしたら、いつでも雅治くんを見れるから、絶対に忘れないでね?」
離れ離れでも、そうしたら応援できるから。
「んー。そん時は名前ちゃんも漫画の主役になって俺に見せてな?整形して」
「悪かったね!美人じゃなくて!」
話している内に、雅治くんは眠ってしまった。
私は寝返りをうち、雅治くんの顔をじっと見つめる。
こんなに近くにいるのに、もう寂しいよ。
雅治くんの唇に、そっと終わりのキスをする。
触れるだけのキスを…
「応援してるからね?行ってらっしゃい」
ベッドから起きあがり、雅治くんに秘密の伝言を残す。
私がいたという痕跡も…
私の想いも…
どうか…
神様。
雅治くんと一緒に連れて行って下さい。
彼を元の場所へ帰してあげて下さい。