【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第13章 好いとうよ【2月】
side.名前
「…不安?」
………
何で分かっちゃうかな?
私は諦めて頷いた。
「何が不安?俺がこっちの世界の人間じゃないことが?おらんなくなると思っとる?」
「…何で、分かるの?」
「目見りゃ分かる、言うとるじゃろ」
「…うん。雅治くんは、もうすぐいなくなる気がする」
私の言葉に、驚いて目を見開く雅治くん。
「…何で、そう思うんじゃ?」
「分かんない。雅治くんは…もう変わったんでしょ?」
「………」
「初めて会った時、聞けなかったの」
「何を?」
「もう本当の自分、見つけたんでしょ?」
初めて雅治くんと出会った時、あの海で聞けなかった言葉。
「…見つけた」
今はその返答が恐かった。
それを聞いたらいなくなってしまうような気がして。