【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第13章 好いとうよ【2月】
side.名前
「名前?」
「、!」
「どうした!?」
飲み物を持った雅治くんが、焦った顔をする。
泣いてるところ、見られちゃった…
こんな姿、見せたくなかったのに。
「何かあったんか?」
心配そうに私の顔を覗きこむ雅治くん。
私は涙を拭いながら首を横に振った。
「…私…何してあげられる?」
「えっ?」
「本当は…帰りたいでしょ?」
雅治くんは、私の問いに黙り込む。
私に辛いと言ったところで、どうにもならないのは分かってる。
それでも、雅治くんのために何かしてあげたい。
何でもいいから、私にできることを言って欲しいの。