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【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第12章 カルテの病名って… 【2月】


side.仁王雅治



「あのぉ…雅治くん?」

「………」

「迷惑かけてごめんね?」

「………」

「でもね!本当に痛かったんだよ?」

「………」



先生から腹痛の原因を聞いた瞬間。

心配し、涙を流した自分がアホらしく思えた。



お腹にガスが溜まるといけない。

という理由で、点滴治療を受けた名前。

彼女はすっかり元気そうだ。



病院を出る頃には、すっかり朝日が登っていた。


家路に着いたタクシーの車内で、冒頭のやりとりが行われる。


名前には申し訳ないと思う。

だか、内心複雑な俺は、彼女と話す気にもなれない。


一貫して無言を決め込む俺に、名前は困ったように溜息をついた。



今となってはアホらしい。

だが、俺は怖かったんだ。



名前を失うんじゃないか…

怖くて涙したんだ。



思い出しただけでも、また涙が出そうになる。

それを必死に堪えて、無言を貫いた。



そうこうしている間に、タクシーは自宅に着いた。


自室に入ると、時計は既に7時を過ぎている。

今日が休日で本当に良かった。


 
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