【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第12章 カルテの病名って… 【2月】
side.仁王雅治
受け入れ先の病院に着き、処置室の前で一人待つ。
もし取り返しのつかない病気だったら…
名前の安否を心配する。
初めて愛しいと感じた女の子。
その彼女を失うかもしれない。
不吉な想像が頭から離れず、恐怖で涙が出てきた時だった___
「いで、いででででっ!!いたっ!痛いです、先生っ!」
「大丈夫ですよ!苗字さん!」
「いだ………いってぇーーーー!!!」
処置室の中から名前のものと思しき、雄たけびが響いてくる。
………。
えっ?
呆然とする俺。
名前は…
大丈夫なのだろうか…?
心配の気持ちもあるが、先程の女を捨てたような声があまりにも衝撃的だった。
処置室から白衣を着た男性が出てくる。
「苗字名前さんの付き添いの方ですか?」
「あ、はい。先生…名前は…」
不安と困惑で戸惑う。
先生は優しくフッと微笑んだ。
「だいぶ出ていなかったようなので、お通じのお薬を処方しましょうね」
………。
えっ?
先生の言葉を理解するまで、1分くらいかかった。