【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第10章 私のこと好きなの?【2月】
side.仁王雅治
顔を覆い隠して泣く名前。
可哀想だが、こればっかりは何も言えない。
名前の仕事の問題だからだ。
さて。
どうしたらええんかのう?
頭を撫でながら困っていると、名前が不意に俺の腕を掴んだ。
そのままベッドに転がる名前。
片腕を引かれ、俺もバランスを崩す。
「おっと…」
名前の背中に覆い被さるように、俺も布団に倒れ込んだ。
こうなったら仕方がない…。
空いている方の手で頬杖をつき、落ち着くのを待つ。
名前は意外と強情で、こういう時は泣いている姿を見せまいと必死になる。
俺が泣かしたわけじゃないし。
彼女の問題だから、啜り泣く名前に何もしてやることはできない。
そんでも…
やっぱり好きな子には、笑っていて欲しいと思う。